出張専門こしがや鍼灸治療所

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のぼせ ほてり

◯ のぼせ ほてり

風邪などの症状で体温計で測ってみて実際に熱があることを東洋医学では”外熱”と言います。これに対して、のぼせやほてりなど体温計では熱はないのに、顔だけが妙に火照る、上半身は熱いけど足は冷える、逆に足だけが火照って眠れない、身体の中に熱が籠っている感じがするなどの症状を”内熱”と言います。

○  原因は?

では、どうしてこのような状態が起こるのでしょうか?主に3つの要因が挙げられます。

<1.腎陰虚 >

人間誰しも年を取れば、身体のあちこちが弱って来ます。東洋医学では、特に”腎”がこれと密接に関わっていて、この腎は身体全体を潤す作用があるのですが(これを津液(しんえき)と言います)、年齢と共にこの潤す作用が極端に減ってしまうと、相対的に内熱が抑えられなくなってしまい、熱の量が増え、のぼせやほてりといった症状が発生します。

元々、熱や暖かい空気は上に上がっていく性質があります。お風呂でお湯を沸かした時も、最初は上の方が熱くて、下の方がぬるいです。必ずかき回してから入ります。人間にもこれが当てはまり、身体の中にある熱は上に上りやすい傾向があります。それを津液が上に行き過ぎないよう上手くコントロールしてくれているので、普段はのぼせや熱感というものを感じないのですが、腎陰虚になり、津液が減ってきてしまうと、のぼせやほてりといった症状が出てきてしまいます。

この陰虚の症状は、他にも寝汗をよくかく、動悸や不眠、よく夢を見る、めまい、耳鳴り、皮膚や髪が乾燥するなどといった症状もみられます。

 

<2.気滞 >

気の流れが滞っても、のぼせやほてりといった症状はでやすくなります。特に、東洋医学では”肝”がこの気の流れを司っており、肝がスムーズに働くことによって、気も滞りなく流れていくのですが、過度のストレスや精神的な緊張、イライラして怒りっぽいなどの症状があると、肝が上手く働かなくなり、その結果、気の流れが悪くなり、顔は火照るのに手足が冷たい 皮膚の乾燥や痒み 自律神経失調症 うつ病 円形脱毛症などの症状がでたりします。

<2.更年期障害 >

のぼせやほてりは、特に更年期障害の女性に多くみられる症状です。これは主に、閉経前後で卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の量が減少することによって、引き起こされます。のぼせやほてり以外にも、大量の発汗 イライラ ヒステリー 動悸 不眠 肩こり めまい 耳鳴り 疲れて何もする気が起きない うつ感などの症状が見られます。

東洋医学では、これら女性の更年期症状を”血の道症(ちのみちしょう)”と呼んでました。これは女性には初潮から閉経まで生理があり、血(けつ)と深く関わりがあることからそう呼ばれてきました。血の循環がうまくいっていれば、更年期症状もほとんどありませんが、血の循環がうまくいってないと、これらの症状がでやすいです。

○  対処法は?

では、それぞれ上記の様な症状にならないためにはどのようにしたらよいのでしょうか?まず、腎陰虚ですが、これは、睡眠をきちんととること、それから疲労を蓄積させないというのが1番重要になってきます。

良質な睡眠をとることで、身体を潤す作用がある津液が増えます。更に寝ることで疲労も回復しますので一石二鳥です。自分は体力があって、少々の無理はきくから大丈夫と思っていても、後々、身体にガタが来て、様々な不定愁訴に悩まされるようになります。あまり無理はしないようにしましょう。

次に、気滞ですが、これはイライラしない、くよくよしない、緊張が長く続くような状況はなるべく避ける、などが挙げられます。なるべく気が流れるよう心を解放的にし、色々なことに目を向けることが大事です。そして、常に物事を多角的な視点で見れるようにします。一点だけだと視野が狭くなり、心に余裕がなくなってしまいます。最後に、何事にも完璧を求めず、多少のことは妥協する姿勢が大事です。気持ちに余裕を持てるようにしましょう。

最後に、更年期症状によるのぼせ・ほてりですが、上記で「血」と関係していると言いましたが、この血がうまく流れていればのぼせやほてりといった症状もさほど起こりません。なので、血流を良くし、流れを滞らせないことが重要になってきます。ちなみに、東洋医学では血液の流れが悪いことを”お血(おけつ)”と呼びます。お血があるかどうかの判断はふくらはぎや舌の裏を見れば分かります。ふくらはぎに静脈瘤ができていたり、舌の裏に青筋がくっきりしていると血の流れが悪いといえます。

血の流れを良くするためには、まず身体を冷やさない 適度な運動をする 血を汚す食べ物を食べ過ぎない 気のめぐりを良くし、ストレスをためないなどが挙げられます。血を汚す食べ物は、肉類 辛いもの チョコレートなどの甘いものなどです。逆に血の流れを良くし、のぼせやほてりに効果的なのがシナモンやサフランです。

○  効果的なツボは?

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・三陰交(さんいんこう)・・・内くるぶしの上3寸。“女性のツボ”とも呼ばれ、婦人科系疾患には欠かせない。更年期障害や生理痛、生理不順、冷え性などに効果的。

・復溜(ふくりゅう)・・・内くるぶしの上2寸。腎陰虚の症状によく効く。津液をより潤す作用がある。

・太谿(たいけい)・・・足の内くるぶしとアキレス腱の間。復溜と同じ腎陰虚の症状によく効く。他に腰痛や腎疾患の症状にも効果あり。

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・身柱(しんちゅう)・・・第3と第4胸椎棘突起の間。更年期症状ののぼせやほてり、発汗、めまいなどによく効く。

・腎兪(じんゆ)・・・第2腰椎棘突起下、脊柱の左右外側1,5寸の所。腎は生命のエネルギーを宿す場所であり、腎が衰えると疲れやすくなり、体に元気がなくなる。更年期障害の緩和や津液を増やし、のぼせやほてりの解消につながる。

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・内関(ないかん)・・・手の平側、手首のしわ中央から4センチ肘寄り。気の巡りを良くし、ストレスを和らげ、精神を落ち着かせてくれるツボ。

・神門(しんもん)・・・手の平側、手首の一番小指側の下にある小さな骨の内側。神経が高ぶったり、情緒不安定になったら押すと良い。

※上記の他に、頭のてっぺんにある百会や足の裏にある湧泉なども効果的です。

1975年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、会社勤めを経て、鍼灸学校に入り直す。2004年国家資格 鍼灸師を取得。2005年 開業。趣味は旅行 サッカー スノーボード。